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様々な考え方

選択と集中の美学-頭に来てもアホとは戦うな 田村耕太郎-

こんにちは,理系男子くんです.

 

今回は書評を書いていこうと思います.

 

書評1筆目は田村耕太郎先生の「頭に来てもアホとは戦うな」をご紹介したいと思います.

 

この本を読んで得た気づきや私自身に落とし込めそうなことについて書いていければと思います.

 

この本から得た気づきとして”選択と集中”の合理性を改めて感じました.

 

筆者の田村さんは政界を経験されていることから,文中では政治家の視点で”アホ”と戦うことのデメリット及び”アホ”と戦わなくて済むような方法を紹介されていました.

 

田村さん自身”戦うこと”自体を否定されているわけではありません.

 

”戦う”ことは生きる中で必要ですし避けられない戦いも多くあると思います.

 

その中で必要なのは,避けられない戦いに対して万全の準備をして全力で挑むことです.

 

自分の精神力や時間といった資源を本当に必要なところに注ぎ込むことはまさに選択と集中であり,それは他人との戦いにおいても必要な事であるということです.

 

 

ここからは文中の言葉を引用しながら気づきを書いていきます.

 

【自分を見失わない】

 

田村さんの場合は政治家として進めていた政策を実現するために頭を下げたり自ら動くことを疎かにしていたそうです

 

必要であるとわかっていてもプライドが邪魔をしてできない,という場合には本当の「目的意識」が無いのではないか,とも仰っています.

 

確かにごまをすっている人を見て「みっともない」と思うことは私もあります.

 

しかし,重要な目的があり目的達成のためになりふり構っていられないのであればそのような事をするのが自然である,と述べられていました.

 

具体例を通してそのような見方をすることが出来るようになりました.

 

【「生意気は元気な証」だなんて思うな】

 

相手に歯向かったが故にその結果はどうであれ相手から恨まれてしまうということがあり,表面上では許したり受け入れる態度を取る人も裏では憎んでいる,と仰られれています.

 

許してくれたように見えた相手から反撃を食らうことはかなり痛手になるのではないかと考えると,無闇に相手に歯向うことはしないのが身のためですね.

 

【嫌な相手にこそやられたフリ】【耐えて耐えて,耐え抜いた人が勝つ】【困っていなくても困った顔をせよ】

 

相手から攻撃されたときは反撃せず,すぐに反応せず,相手に花を持たせて最終的には反撃として逆に相手を利用してしまうほうがよい,と仰られています.

これは中々難しいのではないかと思う.

 

このような場合相手は思い通りになって得意げになっているであろうが,攻撃モードの相手を協力モードに変えることは生半可な取り組みでは難しいのではないかと思う.

 

長期に渡って相手に対してやられたフリをしながら関係の構築を目指すことはかなり労力を使うが,だからこそ反撃の重みがあるのではないかと思う.

 

気を伺うという意味でも対処法を考えるという意味でも,耐えて耐えて耐え抜くことが必要であると思います.

 

すぐに反撃せず耐えることとセットで耐えたストレスのはけ口を作る必要があり,それは絶対に陰口などの形で口外してはいけないとも仰られています.

 

私自身はそこまで短気な方ではなく反応も早くも無いので,「~のように言い返せばよかったな」と思うことが多いのですが,怒りが収まらないときは家で実際に言い返したりしています.

 

また,困った人間を助けたくなるのが人情であり強気な心をしまって困っている顔をすることで相手を自分にまきこんでいくことが重要である,とも仰っています.

 

これもやはりそうで,私自身分からないことや出来ないことがある時には助けを求めるのですが,そのタイミングがギリギリであるとかなり苦労します.

 

逆に早いタイミングで助けを求めている(ように見える)友人は余裕を持って南極に対処していたように見えました.

 

タイミングもそうですが助けを求める熱量もかなり重要で,手に負えないほどではないが助けがあれば何とかこなせる,ぐらいが丁度良いとも仰られていました. 

 

【気まずい時こそ,無理にでも話しかける】

苦手意識を持っている相手に対してコミュニケーションを絶やしてはいけない,険悪な関係である時こそ一層コミュニケーションを取ることで相手に深読みをさせず事態を悪い方向にもっていかないようにするべきだ,と仰られています.

 

「嫌がらせをしてくる相手に対してそのことを悩みとして相談してみる」というのはとてもタメになりました.ポイントは「相手に悟られないようにする」ということだそうです.

 

自分に嫌がらせをしてくる相手と悩みを相談できる関係になることは難しいと思います.しかし決まればかなり有効で,相手は悩みを聞きながらも「自分のことかもしれない」と考えだすそうです.

 

これで相手の行いが改まれば,まさに「戦わずして勝つ」ですね.

 

【理屈よりも感情】

「人を動かす」(デール・カーネギー)の「他人を動かす」3原則は

・非難するな

・認めよ

・相手の欲しがるものを理解せよ

であり相手の欲しがるものを理解することはテクニックである,と仰られています.

 

相手にしてほしいことがある時には今後この3つをしっかり意識して取り組みたいと考えています.

 

【腰の低い人ほどデキる人が多いのはなぜか?】

腰を低くしていれば敵は作りづらく応援者を作りやすいということを成功した人ほど知っており,それによって更に好感度が上がることで次の成功の確率が上がる,と仰られています.

 

成功した人は腰を低くすることのメリットを知っているからこそ常に腰を低くして成功の機を伺っている,と考えれば腰を低くし続けることへの抵抗感は払しょくされると思います.

 

「結果を出さずして腰を低くするのは当たり前である」と仰られているように,デキる人の中に腰の低い人がいるのであって腰の低い人が皆デキる人であるとは限らないと思います.結果を出すことで腰が低いことに対するギャップが生むことが大切であるということですね.

 

【淡々とこなす者が最後には勝つ】

物事に一喜一憂せず淡々とこなしているものが最後には勝つ,という教えを受けたと仰られています.

 

不言実行ではないですが気を大きくせず,かといって小さくもならず,粛々とその時に置かれた自らの状況を踏まえて行動することで必ず自分の番が回ってくるということなのですね.

 

【仕事で評価される人,されない人】

自分と比べて業績が少ないにもかかわらず評価されている人がいるならば,その人を憎むのではなくその人の立ち回りを参考にするべきである,と仰られています.

 

学生の立場からしても,同じ量の努力をしていても先生から評価される学生とそうではない学生がいることを感じることはあります.

 

大学は研究機関であり教育機関でもあるので機会を均等に与えてくれるような土壌はありますが,アピールをしたうえで結果を残さないとやはり機会は回って来づらくなってしまいます.

成果を出すことと同じくらい評価者に対するアピールも大切であり,それに加えて評価されやすい環境を自ら作ること,例えば評価者にとって"カワイイやつ"になること,を意識するべきことであると感じました.

 

【小さな合意から積み重ねる】【こちらに有利な条件を提示した後に相手に譲歩する】

小さなお願いを飲んでもらい徐々に合意を積み重ねて関係を深めていく方法(ボトムアップ)と,最初に関係を崩さない程度に高い要求を突きつけて決裂させてからこちらが譲歩することで相手にも譲歩させるような雰囲気を作る(トップダウン)がある,と仰られています.

 

相手の感情を上手くコントロールすることで最終的に合意に持っていく方法としてとても有用であると思います.

 

基本的には小さな合意を積み重ねる方法を使いつつ,相手にも関係改善の意思がある時には相手も譲歩するような雰囲気を作るように行動することが有効であるようです.

 

 

 

この本を読んで得た人間関係に対する教訓は,戦う相手を選び卑屈にならずに目的達成のために打てる手を淡々と打っていくことが重要である,ということを思いました.

 

タイトルにも登場する”アホ”という存在は一人一人に思い浮かべる人がいると思いますが,全員が共通して持っている”アホ”とは未熟な自分自身なのではないかと思います.

 

未熟な自分自身と時に戦い,時に戦わず,コントロールすることでより良い人生が切り開けるのではないかと思います.